──2024年にご著書『きみのお金は誰のため』が同グランプリで受賞(総合グランプリとリベラルアーツ部門賞)されました。あれから2年経ちましたが、世の中の風向きや読者の反応に変化はありますか。
2年前はちょうど金融教育が始まった時期で、学校の先生がよく読んでくださって、いろんな学校でお話しする機会が増えましたね。
ここ2年でいうと、「どうやったらお金儲けできるのか」という本が増えている気がします。というのはやはり、生活がより苦しくなっている事実があるのかなと。特にこの1年ぐらいの物価高はかなり実感するところですよね。
2022年ぐらい物価が高くなり始めて、一時的なものかと思いきやそのまま続いちゃった。その前から「老後2000万円問題」をはじめ、「お金を増やさなきゃいけない」っていう風潮はあったけど、特にこの2年くらいで強くなったように感じます。
『きみのお金は誰のため』
著者:田内学
出版社:東洋経済新報社
要約を読む
お米は増やせるけど、お金は増えない
──本書を執筆されたきっかけを教えてください。
この本を書こうと思ったのは、2024年11月です。ちょうどそのころ金融教育について話す機会があったのですが、一緒に呼ばれていた有識者の方が「若い人ほど早く投資を始めないといけない」というようなことを言っていたんですね。
大学とかで話していても「早く投資を始めないといけない」「奨学金を返さなきゃ」という学生がいて、ちょっと本末転倒になっていると感じていました。そもそも大学に行くって、知識や能力、経験、人間関係など、お金以外の資産を築くためですよね。でも最近は、その貴重な時間に「いかに投資を学ぶか」とか「投資するためにバイトしてお金を増やさなきゃ」と考える学生が増えている。それは裏で「資産運用しないと」と煽る人がいるからではないか……と感じました。