目に見えない労力を想像すること
──「お金さえあれば大丈夫」という価値観は、人口構造に関係していると本書に書かれています。今後、人口減により構造が変化していく中で、私たちは考え方をどう変えていけばいいでしょうか。
まずは無駄な仕事を減らすことですね。例えば、クリックすれば家にいても簡単に物が手に入りますが、「送料無料」でも実際は配送コストがかかっていています。この「コスト」って、お金だけじゃないんですよ。荷物を配送してくれる人の労力もそうだし、車のガソリンとか電気とか。「送料無料」であっても、そういったコストがかかっているんです。
おそらく今までは、いかに仕事を増やしてお金を稼ぐかを考えていたから、仕事が増えた方がよかったわけです。でもこれからは「どうやって必要のない仕事を減らすか」ということが大事になってくる。つまり、かかる労力を想像して、消費活動をしようということです。
村社会の時代に生きていたら、自分の知人に再配達とか気軽にお願いしないだろうし、せっかく作ってもらったものを粗末に扱ったりもしないでしょう。でもお金を使って解決することで顔が見えなくなってしまったから、そういう労力に気づけなくなってしまっているのかなと思います。
最近はいろんな仕事がAIで代替されるようになってきて、仕事がなくなる不安もあると思いますが、むしろ効率化してなくなっていった方がいい。効率化を進めないとまずいですよ。人がいなくなってしまうから。
実際、すでに色んなところで人手が足りなくなっていますよね。AIが仕事を奪うかどうかというのは、AIがさらに発達してリアルに仕事がなくなってきたときに考えればいいんじゃないでしょうか。それに、仕事を減らして自分の好きなことに使える時間を増やした方がうれしいですしね。