疑惑の寄港先
その後北上し、上海沖の中国海域に少なくとも11日間滞在したことが、非営利団体グローバル・フィッシング・ウォッチが取得したAIS(自動船舶識別装置)の信号から確認されている。
トゥスカはその後、約2日半にわたりAISを停止した。これは国際法に抵触する可能性がある「ダーク化」と呼ばれる行為で、その後再びAISの送信を再開し、3月29日に珠海で1日寄港した。

イランと中国の間を行き来したトゥスカの航跡(4月19日時点) Graphic by Newsweek
米ワシントン・ポスト紙は以前、珠海港はイランが弾道ミサイル用ロケット燃料の前駆物質を確保する拠点の一つだと指摘していた。
4月3日、このイラン船は帰路の途中でマレーシアのポートクラン沖に停泊した。同海域はイランの「影の船団」による積み替え拠点として知られており、同船は9日間出港しなかった。
トゥスカがどのような貨物を積んでいたかは不明だが、米中央軍は4月16日、「すべてのイラン船、OFAC制裁対象船、および密輸品を運搬している疑いのある船舶」を捜索・拿捕すると発表していた。
米国が運営する統合海洋情報センターの注意喚起によれば、密輸品には軍事用途機器、石油製品、核分裂性物質が含まれる。
中央軍は、これらの密輸品は「中立水域の外で、その目的地がイランの領土または占領地域である場合、拿捕の対象となる」と述べた。インド西岸沖のアラビア海にいたトゥスカも対象だった。
中央軍が公開した映像には、強襲揚陸艦USSトリポリからヘリコプターでトゥスカに向かった海兵隊員が、船を拿捕する様子が映っている。
中央軍によれば、海軍のミサイル駆逐艦USSスプルーアンスが、6時間にわたる度重なる警告に従わなかったトゥスカの推進装置を無力化した後、海兵隊員がロープ降下で乗り込んだ。