Humeyra Pamuk Saad Sayeed

[ワシントン/イスラマバード 17日 ロイター] - イランのアラグチ外相は17日、レバノンでの停戦合意を受けてホルムズ海峡を開放すると述べた。一方、 トランプ米大統領は、イラン戦争終結に向けた合意は「間もなく」実現すると信じていると述べたが、時期は依然として不透明だ。

アラグチ氏はXに、イスラエルとレバノンの10日間の停戦期間中、ホルムズ海峡は全ての商船に開放されると投稿した。

これに関連してイラン高官はロイターに対し、航行はイランが航行上安全と判断した指定航路を経由し、軍艦は除外されると述べた。

<原油価格が急落、株価は急騰>

米WTI先物、北海ブレント先物は、アラグチ氏の投稿を受けて11%超安と、それまでの下落幅を拡大した。一方、すでに過去最高値付近で取引されていた世界中の株式市場は、このニュースを受けてさらに上昇した。[O/R][MKTS/GLOB]

ただ、大手海運会社はより慎重な対応を取っている。ホルムズ海峡を通過する船舶の数が、戦争開始前の1日約130隻という通常の水準に戻るには、さらに時間がかかる可能性があると示唆した。

ドイツの海運会社ハパックロイドは、発表内容を検証する間は同海峡の通過を控えると述べた。ノルウェー船主協会は、機雷の存在の可能性など、いくつかの要因を明確にする必要があるとした。

<米国による封鎖は継続中>

アラグチ氏の発言直後、トランプ氏は、ホルムズ海峡は完全に開放され、商業船舶の安全な航行の準備が整っているとした。その上で、イランとの合意が成立するまで、イランに対する海上封鎖は完全に維持されると述べた。

ただ、ほとんどの事項はすでに交渉済みであるため、それは非常に速やかに完了するはずだと付け加えた。トランプ氏は16日、米国とイランの次回協議が早ければ今週末にも実現する可能性があると述べていた。

トランプ氏の楽観的な見方とは裏腹に、イランの情報筋は17日、ロイターに対し、暫定合意に達する前に「解決すべきいくつかの隔たりが残っている」と述べた。

高位聖職者らも強硬な姿勢を示した。テヘランでの説教で、聖職者のアフマド・ハタミ氏は「われわれの屈辱を受けながら交渉することはない」と述べた。中央部のイスファハンでも、イマームが「われわれは相手側が提示した条件を受け入れなかった」と述べた。

米国とイランの再協議の開催場所とみられるパキスタンの首都イスラマバードでは、首都に通じる道路沿いに軍隊の姿が見られたが、道路は依然として通行可能だった。政府は前回の会合前に行ったような企業への営業停止命令は出していない。

<水面下外交の進展>

米国とイランの仲介に関わっているパキスタンの関係筋は17日、水面下での外交が進展しており、両国間の今後の会談で覚書が締結され、その後60日以内に包括的な合意に至る可能性があると述べた。「両者は原則的に合意している。技術的な詳細は後回しだ」と語った。

イランの高官はロイターに対し、ホルムズ海峡再開合意の一環として、数十億ドルに上るイランの資産凍結解除について合意があったと述べたが、具体的な時期については明らかにしなかった。

主要な争点の一つはイランの核開発計画だ。

先週末の協議で、米国はイランが全ての核濃縮活動を20年間停止することを提案した。関係者によると、イラン側は3─5年間の停止を提案したという。

また、米国が高濃縮ウラン(HEU)をイラン国外に搬出するよう求める一方、イランは制裁解除を要求している。

トランプ氏は16日の発言を繰り返し、米国は「核の塵」を全て手に入れると述べた。これは、昨年6月に米爆撃機によって破壊されたとされるイランのHEUを指している。

一方、イランの国営メディアはこれに異議を唱える関係筋の発言を報道し、意見の相違が続いていることを強調した。関係筋は「イランのHEUを米国に移送することに関する交渉はこれまで一度も行われておらず、当然ながらこの件に関して合意も存在しない」と述べたという。

<レバノン停戦が発効>

イスラエルとレバノンの間で合意された停戦協定は、レバノン軍がイスラエルによる違反が一部であったと報告しているものの、17日の時点では概ね維持されているように見えた。

停戦違反について、イスラエル軍からの即時のコメントはなかった。

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