Mei Mei Chu Greg Torode Antoni Slodkowski

[北京/香港 17日 ロイター] - 中国はイラン戦争終結に向けた取り組みを加速させ、来月予定されているトランプ米大統領との首脳会談に備えつつ、イランを疎外しないよう両にらみしている。

燃料の半分を中東に依存する世界最大の原油輸入国である中国はエネルギー供給の確保を図りながら戦争に対して抑制的な姿勢を維持。舞台裏における影響力を十分に発揮しており、トランプ氏はパキスタンで先週末行われた和平協議にイランを参加させるのに中国が貢献したと評価した。

中国の発展途上国への関与を分析する独立系組織「チャイナ・グローバルサウス・プロジェクト」の編集長、エリック・オランダー氏は「たとえ席に着いていなくとも、中国は交渉担当者と同じ場に居合わせることになった」と表現した。

<中東外交活発化>

トランプ氏を「取引重視型」かつ「お世辞に弱い」と見なす中国は今回の首脳会談において、貿易面や台湾を巡る目標に向けて前進しようとしている──。中国の考えに詳しい複数の関係筋はロイターにこのように明かす。

ある関係筋は、中国側の主だった方針は「彼を機嫌よくさせ、赤じゅうたんを敷いて歓迎し、戦略的安定を維持することだ」と語る。

8年ぶりとなる米大統領の訪中を控えた中国外務省は、外交方針に関する質問には回答しなかった。トランプ氏は首脳会談が5月14日と15日に行われると述べている。

アナリストらは、中国は一連の外交活動を活発化させ、紛争により一度延期された今回の首脳会談が円滑に進むよう、トランプ氏の戦争遂行に対する強い批判を控えていると指摘する。

トランプ氏がイランに対し「一晩で国全体を壊滅させることができる」と警告した後も、中国外務省報道官は非難を避け、「深く懸念している」などと述べるにとどめた。

ロイターの集計によると、王毅外相は停戦を求めて各国の外相らと30回近くに及ぶ電話会談や会合を行っており、中国政府のテキ雋・中東問題担当特使も湾岸アラブ諸国の5つの首都を歴訪した。

<首脳会談の焦点>

一部のアナリストは、中国がイランを必要とする以上にイランが中国を必要としているため、中国はトランプ氏との首脳会談を維持しつつ、停戦を迫ることができると指摘する。

シンガポールのS・ラジャラトナム国際研究院上級研究員ドリュー・トンプソン氏は「中国にとっての理想的な結果は、イランのような反西側諸国としがらみのない関係を保持するだけでなく、米国と何らかの形の暫定合意を得る機会も確保することだ」と述べた。

中国はイランと米国の対話を促す役割を果たしたが、中東での軍事プレゼンスに欠けているため、決定に影響を与える能力は限定的。一部では、中国の精力的な中東外交はパフォーマンスに過ぎないとの声もある。

ブルッキングス研究所のパトリシア・キム氏は「イラン側は中国との関係を強調することに熱心で、停戦の保証人になるよう中国に要請しているが、中国はそのような役割を担うことに全く関心を示していない」と指摘。「中国は傍観者の立場にとどまることに満足しているようだ」と話す。

首脳会談で中国は史上最大規模のボーイング機購入に合意する可能性があるほか、大規模な農産物の購入も行われる見込みだ。

アナリストらは、焦点が狭い範囲に限定され、AI(人工知能)ガバナンス、市場アクセス、製造業の過剰生産能力といった野心的な議題は回避されるだろうと指摘。米戦略国際問題研究所(CSIS)のスコット・ケネディ氏は「中国が米国と何らかの包括的な合意に達する可能性はゼロだ」と述べた。

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