イラン情勢で歴史的転換点に立つ穀物相場

現在、世界の穀物市場は劇的な環境変化に直面し、価格に強い上昇圧力がかかっています。

最大の要因のひとつが、アメリカ・イスラエルとイランの軍事衝突による中東情勢の緊迫化です。イランによるホルムズ海峡封鎖などにより原油供給への懸念が急速に広がり、ガソリン価格が高騰したことで、原油を代替する「バイオ燃料」の需要が急激に拡大しているのです。

アメリカでは、大豆油の総消費量のうち過半数が燃料向けとなる見通しで、トウモロコシを原料とする燃料エタノールの使用量も過去20年で3倍超に達しています。

大豆製品に占める大豆油の価値(オイルバリュー)は通常4割程度ですが、直近では5割を上回る水準にまで高まっており、バイオ燃料シフトの大きさを裏付けています。

これに加え、ラニーニャ現象などによる天候不順や、新興国の旺盛な需要増といった供給不安・需要拡大も要因として重なり、穀物価格は長期的にも緩やかな上昇トレンドが続くと予想されています。

穀物価格の上昇が株式市場に与える影響

穀物価格をめぐるこうした構造変化は、農業関連企業の業績に多大な恩恵をもたらします。短期的な価格変動ではなく、エネルギー政策や食料安全保障と結びついた中長期的なテーマであることから、株式市場では長期投資の観点で関連銘柄への投資妙味が一段と高まっています。

■穀物価格上昇で潤うアメリカ株

長期的な穀物価格上昇の恩恵を幅広く受けられる代表的な銘柄として投資家から大きく注目されているのが、世界トップクラスの穀物メジャー(穀物専門商社)、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド<ADM> です。

同社は、主要穀物の買い付けから加工・輸送を一貫して手がけるほか、バイオ燃料であるエタノールの取り扱いも行っています。中国などによる穀物輸入拡大の恩恵に加え、ガソリン代替としてのバイオ燃料需要の急増を直接享受できる立場にあります。

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの株価チャート

また、穀物価格の上昇を背景に、北米では作付面積が拡大しています。種苗や農薬といったマージンの高い製品の需要増に直結するため、この分野の継続的かつ安定的な成長が見込まれています。

2019年にダウ・デュポンから分離して誕生したコルテバ<CTVA>は、トウモロコシや大豆などの種苗部門と、除草剤などの農薬部門の2本柱で事業を展開する、農業化学の世界大手です。農業の川上に位置するビジネスモデルが、穀物価格上昇局面で大きな強みとなっています。

コルテバの株価チャート
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