2018年、俳優ブラッドリー・クーパーが初監督作『アリー/スター誕生』を発表すると、予想どおり世間の反応は分かれた。人気俳優の新たな挑戦に期待する声もあれば、アカデミー賞狙いと冷ややかに見る向きもあった。

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『アリー』は評論家と観客のレビューを集計するウエブサイト、ロッテントマトで高評価を獲得し、レディー・ガガ、マーク・ロンソンらによる「シャロウ~『アリー/スター誕生』愛のうた」はアカデミー賞歌曲賞に輝いた。

だがその後もクーパー自身は、あら探しとも思える厳しい視線にさらされた。

23年には名指揮者レナード・バーンスタインと妻フェリシアの夫婦愛を描いた監督第2作『マエストロ:その音楽と愛と』が公開されたが、世間の反応は冷たかった。ロッテントマトでも、観客の評価は振るわなかった。

とはいえ2つの監督作品がクーパーの映画への敬意を浮き彫りにし、人気俳優の枠にとどまらない未来を予感させたのは確かだ。

彼が裏方に徹することはあるのだろうかと、映画ファンは噂し合った。出演はせず、純粋に監督として映画を成功させることはできるのか。

3本目となる監督作で、クーパーは新境地を切り開いた。『これって生きてる?』は企業の営業職からお笑い界に転身したイギリスのコメディアン、ジョン・ビショップの実体験を基に、クーパーがウィル・アーネット、マーク・チャペルと共同で脚本を書いた作品だ。

そこには人生を変える体験が待っていた
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