Abigail Summerville

[15日 ロイター] - 米酒造企業サゼラックが、ウイスキー「ジャック・ダニエル」製造元として知られるブラウン・フォアマンに対して約150億ドルの買収を提案した。事情に詳しい関係者が15日明らかにした。

関係者によると、サゼラックの提示額は1株当たり32ドル。この提案が、ブラウン・フォアマンが進めているフランス酒造企業ペルノ・リカールとの合併交渉の行方にどう影響するか注目される。

供給網の混乱や米関税問題を背景に、酒造業界はコロナ禍で旺盛だった消費の落ち込みに直面。再編を通じて経費節減や規模の利益を追求し、苦境を乗り切ろうとしている。

サゼラックはコメントを拒否し、ブラウン・フォアマンとペルノ・リカールはいずれもコメント要請に回答がなかった。

15日のブラウン・フォアマン株価終値は約1%高の29.57ドルと、サゼラックの提示額を大きく割り込んだ。これは、サゼラックがブラウン・フォアマン創業家の支配株を含めた完全買収を成功させるためのハードルが高いと投資家が受け止めた証拠とみられている。

ペルノ・リカールが提案しているのは株式交換を含めた合併で、創業家が引き続き一定の影響力を維持する余地が残されている。

複数のアナリストは、ペルノ・リカールの持つ資産や国際展開力の方がブラウン・フォアマンとの相性が良いとの見方も示した。両社が統合した方が、世界トップの酒造企業ディアジオに対抗する上でより強い足場が得られるだけでなく、重要視している米国市場でもより大きな影響力が得られるという。

一方、サゼラックの強みは長年にわたるブラウン・フォアマンとの緊密な関係で、両社が統合すれば米国の主要卸売事業者に対する交渉力を強化できるとの声が聞かれた。

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