PHASE 2 サイバー攻撃と信頼の破壊

このフェーズの主眼は機密情報を盗むことではなく、信頼を破壊することにある。台湾の国家安全局によれば、中国によるとみられるサイバー攻撃は、昨年に9つの重要分野で1日平均263万件に達した。中国軍が台湾周辺で合同即応哨戒を40回実施したうちの23回で、サイバー攻撃が激しくなったという。

封鎖下でのサイバー攻撃は恐怖を増幅する。医療システムが攻撃されれば日常生活は不安定になり、物流が混乱すれば船は入港できても貨物の輸送は滞る。電力や通信のインフラが狙われれば、あらゆる噂が現実味を帯びてくる。

目的はスパイ活動ではない。台湾に統治不能だと感じさせることだ。

CSISが同様のシナリオで行ったシミュレーションでは、台湾の天然ガス備蓄はおよそ10日で枯渇し、石炭は約7週間、石油は約20週間しか持たないとされている。

同時に情報戦も激化することは、ほぼ確実だ。台湾当局は中国の欺瞞作戦について警告しており、大型の軍用ドローンが偽の航空機識別信号を発信する事例も確認されている。

国防安全研究院の呉は「複雑性の競争」の一部だと語る。「勝利は航空機の数ではなく、戦場の霧(戦場における不確定要素)を晴らして情報を最も速く処理できるかどうかに懸かっている。地域の同盟国にとって最も賢明な対抗戦略は、戦闘機の数で戦うことではなく、圧力を受けても状況認識を維持できる強靭なセンサー網を構築することだ」

※この記事は前編です。後編は4月17日にアップロードされます。

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