Kevin Yao
[北京 16日 ロイター] - 中国国家統計局が16日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.0%増となり、アナリスト予想の4.8%増を上回った。年初の輸出急増に支えられ、内需の弱さが覆い隠された格好となったが、当局はイラン戦争がエネルギー価格を押し上げ、世界需要を圧迫する中、外部環境は複雑で不安定だと警告した。
昨年第4・四半期は4.5%増と、3年ぶりの低水準を記録していた。
統計局の毛盛勇・副局長は記者会見で、「次の段階における国際環境は複雑かつ不安定になり、不確実で予測困難な要因が増加するだろう」と述べ、金融市場を揺るがし、世界経済の見通しを一変させたイラン戦争による政策リスクを強調した。
第1・四半期GDPは前期比では1.3%増加し、予想と一致。前期の1.2%増をやや上回った。
同日発表されたその他の経済指標を見ると、3月の鉱工業生産は前年同月比5.7%増と、1─2月の6.3%増から伸びが鈍化した。ロイターがまとめたアナリスト36人の予想(5.5%増)は上回った。
消費指標の小売売上高も1.7%増と、1─2月の2.8%増から鈍化した。アナリスト予想の2.3%増を下回った。
固定資産投資は1.7%増加。アナリスト予想は1.9%増だった。
国泰海通証券のアナリスト、周浩氏は「製造業サイドの経済は引き続き底堅く、依然として当面の成長を支える重要な柱だ」と指摘。「先行きを見ると、中国のマクロ政策はリフレと内需拡大という二つの相互に絡み合った優先課題を中心に展開される可能性が高い」と述べた。
3月の輸出は前年同月比2.5%増と、1─2月の21.8%増から急減速した。紛争によるエネルギー・輸送コストの上昇が世界需要を圧迫したことが背景だが、アナリストは季節的要因による歪みも含まれていると指摘している。
1─3月では輸出は前年同期比14.7%増となり、2025年の通年の伸び率5.5%を大きく上回った。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、徐天辰氏は「一方では底堅さが見られる。イラン戦争が中国に与える影響は非常に限定的だ。他方では不均衡が見られる。輸出セクターの強さと内需の弱さという構図だ」と述べた。
ただ、ひずみの兆候が表れ始めている。3月の生産者物価指数(PPI)は3年超ぶりに上昇に転じ、エネルギー主導のコスト圧力が国内に浸透し、すでに薄い企業マージンを圧迫しつつあることを示している。
ゴールドマン・サックスの中国担当エコノミスト、シンチュエン・チェン氏は統計発表前のノートで「2026年においても中国の輸出は主要な成長エンジンであり続けるが、最近のエネルギーショックにより、焦点は対外需要の持続可能性へと移っている」と指摘。「中国の生産は比較的堅調だが、主要な貿易相手国、特に輸出の40%近くを占める低所得の新興国はスタグフレーションのリスクにますますさらされている」と述べた。