Libby George
[16日 ロイター] - タイ中央銀行のチャヤワディー総裁補は、イラン戦争の影響で今年のタイの経済成長は鈍化する見通しで、紛争が続けば最悪のシナリオに「際限がない」と懸念を示した。
米首都ワシントンで開催された国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合の合間にロイターの取材に応じ、イラン戦争により観光客数は減少しており、輸入コストは上昇していると指摘。「多くの分野で下降傾向になるだろう」と予想した。
チャヤワディー氏によると、戦争で空港が閉鎖されたため、3月の湾岸諸国からの観光客数はほぼゼロに減少。富裕層の訪問客は通常、タイ観光支出総額の7%を占めているが、その数はまだ回復していないという。さらにマレーシアからの観光客数も、燃料費高騰で車による来訪者が減る傾向にある。
中銀は今年下半期に戦争が終結するとの基本シナリオで、通年の経済成長率を1.3%に下方修正。昨年12月時点の予想は1.9%だった。政府も2月に成長見通しを1.5─2.5%に引き上げていた。
チャヤワディー氏は、危機前のタイ経済の堅調な基盤がショックを吸収するのに役立っているものの、経済は深刻な圧力にさらされていると指摘。「最悪のシナリオには際限がない。それほど深刻な状況だ」と述べた。
政策当局は、今年の経常収支が約120億ドルの黒字になると予想していたが、チャヤワディー氏は見通しを下方修正せざるを得ないとし、経常赤字に転じる可能性も否定しなかった。