Andrea Shalal

[ワシントン 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は15日、「財政モニター」を公表した。その中で、中東での戦争により、既に脆弱化している世界の財政への負担が一段と強まっているとの見方を示した。

ロドリゴ・バルデス財政局長は、国民が原油不足とそれに伴うエネルギー価格の高騰に対処できるように、燃料補助金を導入することは避けるべきと主張。価格上昇を覆い隠さない、対象を絞った一時的な現金給付の方がはるかに良い選択肢だと語った。

ロイターのインタビューで「エネルギーが不足すれば、価格は上がる。そうすれば調整が起こり、消費量が減る」とした。

「(エネルギー価格の上昇分を)経済に波及させた上で、他の対策を講じることが賢明だ」と説明。「これは世界的なショックであり、各国が価格を抑制しようとすれば、価格は世界的にますます上昇するだろう。価格を抑えることはせず、需要の調整に任せることが非常に重要になる」と語った。

社会保障制度への恒久的支出の拡大や歳入の減少によって公的債務が増加し続ける中、状況が安定した後は、長期的な課題に引き続き注力することが極めて重要と指摘。「IMFの助言は単純明快だ。状況が安定し次第、速やかに財政バッファーを再構築するということだ」と述べた。

IMFの最新の「財政モニター」によると、世界の政府債務残高は2025年に国内総生産(GDP)比93.9%に達し、前年の92%から約2%ポイント上昇した。政府債務の対GDP比は29年までに100%に達する見通しで、100%に達するのは1年前の予測より1年早くなる。

政府債務はその後も増加を続け、31年には102.3%に達する可能性があると予想。バルデス氏は、IMFが想定する「厳しい」経済シナリオが現実になれば、向こう3年で121%に達する可能性もあると述べた。

IMFによると利払い費も急増しており、25年にはGDP比で約3%と、4年前の2%から大幅に上昇した。バルデス氏は、ヘッジファンドなどの投資家が債務市場で担う役割が拡大していることが新たなリスクとして台頭していると指摘。債務の平均残存期間が短期化していることも影響しているとの見方を示した。

IMFはこのほか、報告書に併せて公表したブログで、安全保障関連支出の増加、気候変動対策への投資拡大、利払い費の増加など多くの問題に直面する中、歳入の伸びが追いついていない点を課題として挙げた。

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