Ritsuko Shimizu

[東京 9日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスは9日、米国コンビニ事業の上場を最短で2027年度の実施に変更すると発表した。これまでは、26年下期までの実施を計画していた。中東情勢の緊迫化に⁠より、原油や米株式市場など先行き不透明感が増している。個人消費への影響も読み切れない状況にあり、上場時期の見直しとなった。米コンビニはガソリン併設型も多く、不安定なガソリン価格も業績の予測の難しさにつながっている。

一方、米コンビニ事業の上場と併せて30年度までに2兆円⁠規模で実施するとしていた自社株買い・累進配当の実施については、方針を変えずに実施する。

スティーブン・ヘイズ・デイカス最高経営⁠責任者(CEO)は会見で、上場のタイミングについて「あくまで価値に基づいて判断する」と述べ「米子会社の準備が整い、市場において強さと潜在力が適切に評価される環境が整った場合にのみ進める」とした。さらには「最大の成長機会は北米にある」と強調した。

同社は24年にカナダの小売大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けた。その際、⁠北米コンビニを手掛けるセブン―イレブン・インク(SEI)の新規株式公開(IPO)を含む独自成長案を対案として打ち出した。北米事業の価値を顕在化さ⁠せるとと⁠もに、一部株式の売却資金で株主還元や成長投資を行う計画だった。

米国は物価上昇の影響により節約志向が強まっている。25年度のSEIは既存店売上高が前年を割り込む中、コスト削減により0.8%の営業増益(のれん償却前)となった。

<今期、非連結化の影響除けば増益>

2027年2月期の連結純利益は前年比7.8%減の2700億円になるとの見通し。IBESがまとめたアナリスト15人のコンセンサス予想平均値は2492億円で、会社予想はこれを上回った。⁠年間配当は60円(前期は50円)に増配の予定。

同社は、昨年度中にセブン銀行やスーパーストア事業などを非連結化。こうした影響を除く実質ベースの純利益は5.9%増となる見通し。

国内コンビニのセブン―イレブン・ジャパン(SEJ)の既存店売上高は2.5%増、商品粗利も0.1%のプラスを計画している。

丸山好道・最高財務責任者(CFO)は「イラン情勢は現時点で不透明要素が多く、通期業績予想には織り込んでいない」と述べた。ガソリン価格上昇による消費への影響や下期にも予想される電気代や容器代などの上昇が懸念される。

26年2月期の連結純利益は前年⁠比69.2%増の2927億円となり、会社予想の2700億円を上回って着地、過去最高となった。前期までに計上していた構造改革費用が大幅に減少したことが増益要因となっている。

足元の株価水準について、丸山CFOは、将来キャッシュフローに対する期待を高め、資本効率を高めるために戦略的な打ち手を推進することが重要とし「この通り実現していければ、今の株価水準は非常に低い。マーケットに対してはもっと説明していかなければならない」とした。

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