[東京 7日 ロイター] - 高市早苗首相は7日夜、2026年度当初予算の成立を受けて記者団の取材に応じ、予算成立の意義を強調した上で、混迷するイラン情勢を受けたエネルギー需給や物価高対策など、政府の取り組みについて説明した。ホルムズ海峡以外からの代替調達によって「年を越えて石油確保のメドがついた」とし、国民に対する特別な省エネは呼びかけず、補正予算の編成も現時点では考えていないと語った。
高市氏は液晶画面に資料を表示しながら説明した。「強い経済と財政の持続可能性を両立させる予算だ」とし、予算成立の意義を「危機管理投資や成長投資といった分野に大胆に増額するなど、強い経済の実現に資する内容だ」と強調。「この予算を効果的に活用し、強い経済を実現するために取り組んでいく」と語った。
国民の間に懸念が広がるエネルギー需給や物価高への対応については、切れ目のない支援を実施できるよう前年度予算や今年度予算の予備費を活用する方針を改めて表明。「中東情勢による経済への影響を注視し、ちゅうちょなく必要な対応を行っていく」と述べた。
具体的な取り組みとしては、石油備蓄が約8カ月分あることに触れ、米国を含むホルムズ海峡以外からの代替調達にも「最大限注力」していると説明。情勢悪化で調達できなくなった分について、「4月は前年実績比で2割以上、5月は過半の代替調達にメドがついた」と語った。賄いきれない分は備蓄放出で補充するという。
高市氏は「備蓄があり、代替調達の進展の結果、備蓄放出量を抑えながらも、年を越えて石油の(石油製品など燃料以外の用途を含めた)供給を確保できるメドがついた」とも強調した。ただ、高市氏が示した資料によると、代替調達分には契約手続きが完了していない分も含まれるという。実際に調達ができるのかや、イラン情勢の悪化が想定を超えて長期化した場合の対応についての説明はなかった。
高市氏はまた、石油の流通を円滑にするため、医療・交通などの重要施設には卸売業者を介さずに直接販売するよう元売り事業者に要請した、とも説明。「普段から契約している燃料販売店には前年同月比で同量を基本として販売するよう大手元売り事業者に要請した」と述べた。石油製品のナフサ由来の医療関連物資や食品包装容器などについては、政府内の対策本部で重点的に対応するという。
記者団から国民へ節約を呼びかけるか問われると、「資源に乏しいわが国においては毎年夏と冬のエネルギー需要が増大する時期に(節約の要請を)行っている」とし、特別な対応は必要ないとの姿勢を示した。「重要物資の需給や価格など足元の状況を把握しながら長期化も見据えてあらゆる可能性を排除せずに臨機応変に対応していく」などと、これまでと同様の考えを繰り返した。
補正予算編成の必要性については「今日の時点で、いますぐに編成が必要な状況とは考えていない。中東情勢が経済に与える影響をしっかり注視し、状況に応じて必要な対応を行っていく」と述べた。イランとの首脳会談については「できる限りのことはやっていきたい」と語った。
(竹本能文、鬼原民幸 編集:石田仁志)