[フランクフルト 31日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が31日発表した3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP、速報値)は、前年同月比で2.5%上昇した。原油・ガス価格の高騰を受け、欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%を突破した。
2月は1.9%上昇、ロイターがまとめた市場予想は2.6%上昇だった。エネルギー価格が4.9%上昇し、全体を押し上げた。
エネルギー高は景気の重荷となる一方、インフレの連鎖を招く恐れもあり、政策当局は難しい判断を迫られている。
イラン紛争の影響で原油価格はほぼ2倍に跳ね上がっており、ECB内部では他の財やサービスへの波及を抑えるための利上げの是非について議論が交わされている。
変動の激しい食品とエネルギーなどを除いたコア指数は2.3%上昇と、前月の2.4%上昇から鈍化した。
サービス価格の上昇率は前月の3.4%から3.2%へと低下。
市場では現在、年内3回の利上げが織り込まれており、早ければ4月か6月にも最初の利上げが行われるとの見方が強まっている。
ハウク・アウフホイザー・ランペのチーフエコノミスト、アレクサンダー・クリューガー氏は「これまでの安定的な物価環境は終わりつつある」と指摘し「重要なのは、このインフレ圧力がコアインフレに波及しないことだ」と述べた。
コメルツ銀行のチーフエコノミスト、ヨルグ・クレーマー氏は、戦争が早期に終結しなければ、総合インフレ率は5月までに3%を上回る可能性があると指摘。「インフレ圧力の高まりにより、ECBは4月、遅くとも6月には政策金利を引き上げるだろう」との見方を示した。
ECBは2021─22年にインフレの持続性を見誤り、物価上昇を一時的と判断して対応が遅れた経緯がある。
INGのチーフエコノミストは、4月の利上げには懐疑的な見方を示し「22年の苦い記憶が当局者を悩ませない限り、4月末の次回理事会でECBが動くとは考えにくい」と指摘した。
ECBは4月30日に次回理事会を開く予定。