魚市場を築地並みの観光地に
こうした調査機関や学者による度重なるジャカルタ水没の危機、問題点の指摘が相次ぐ中、8月11日にスシ・プジアストゥティ海洋水産相は北ジャカルタのムアラバルにある魚市場を訪れ、同市場を東京・築地魚市場のような観光スポットとしても活用できるように改良整備を進めるよう提案した。
ムアラバル地区は大雨の度に海水によって水没することで有名な地区で、1階部分が水面下になり使用不可能になった建物も点在する。魚市場周辺も水があふれ市場としての機能が停滞することも起きていた。
ところが2018年2月に近代化改修工事を終えて生まれ変わり、今回漁業関連会社主催の「ムアラバル・フェスティバル」が開催された。スシ海洋水産相は「東京の築地は整然として清潔、世界の観光客が連日訪れる観光スポットになっている」と指摘して、ムアラバル魚市場に今後観光客を誘致する構想を打ち上げた。
ただ、魚市場周辺は改良されたものの、洪水対策や地盤沈下対策、さらに高潮対策などは手付かずで、11月から始まる本格的な雨期にどうなるか心配する声も出ている。
根本的な地盤沈下対策は海洋水産省の所管ではないものの、こうしたちぐはぐにも見える政府の対応を「縦割り行政の弊害」とみるか、「地盤沈下、水没の問題を深刻にとらえていない証拠」とみるか......。どちらにしろ「融通無碍、何でもありのインドネシア」であることは間違いなく、ただひたすらジャカルタが水没しないことを祈るしかないのが実情だ。

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