研究者らは、脳内の特定のカテゴリー領域の大きさや位置は、対象物が視野のどれだけを占めるか、そして対象物を見るために視野のどの部分を使用するかに依存するとする「偏心バイアス」という理論を裏付ける可能性を指摘する。

幼少期にポケモンで遊んでいた子供たちは、ゲームボーイなどの小さな画面を通して、何百ものアニメーション化されたピクセルキャラクターを何時間もかけて見ていた。結果、ポケモンを見た時に活性化する脳領域が構築されたのではないかという。

今回の研究結果は、人間の脳は生得的に完全に決まっているわけではなく、後天的に決定されることもあることを示したことに意義があると言える。

ゴメスは、「今回の研究結果は、ポケモンや文字といった視覚刺激をどのように見るかという行為そのものが、脳の構造を決定づけると示唆している」と振り返る。

そして、研究チームはこうした結果が、教育や発達研究に幅広く応用可能であることにも言及している。ゴメスも「これは今後の研究において非常に有益であり、失読症や相貌失認といった視覚障害が、刺激の見方そのものに起因する可能性があると言える」と述べ、「これは将来有望な研究分野だ」と研究の意義を強調した。

世界中の子供に笑顔をもたらしたポケモンが、脳科学分野を研究する科学者にも、脳研究の進展という形で笑顔をもたらすのかもしれない。

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