「誰かのために」がエネルギーになる

──本書の「恐怖のガソリン」と「楽しむガソリン」の話が印象的でした。改めて、切り替え方と重要性を教えてください。

楽しむガソリンは「楽しい」「誰かのためになる」といった前向きなモチベーションによって動くこと。一方、恐怖のガソリンは「怒られるのが怖い」「恥をかきたくない」「やるべきだから」と、恐怖から逃れるために動くことです。

恐怖のエンジンは、初動が強く、加速もいいものです。期限がある、怒られる、恥ずかしい......そうした理由は確かに馬力になりますが、長期で回すと焼き付いて壊れてしまいます。

そもそも僕たちは、子どもの頃から恐怖のエンジンで生きる練習をさせられてきました。受験、競争、評価。だから「楽しい」「好き」を原動力にする訓練が不足しているのです。

切り替えのポイントは、矢印の向きです。「怒られたくない」「損したくない」という「自分向き」の理由だと、恐怖のガソリンが発動しやすい。でも「これをやったら誰かが喜ぶ」「社会のためになる」という「他者向き」に変わると、楽しむガソリンに切り替わっていきます。

短距離なら恐怖の馬力も使えるでしょう。でも長距離を走るなら、欲だけでは続きません。最後は「愛」や「貢献」がエネルギーになります。

他者の喜びを想像すると、自分もワクワクする。笑顔で取り組める。結果としてクオリティも上がり、信頼も積み重なり、長期的にはうまくいく──。そこが本質だと思います。

過去は変えられない。でも過去の「意味」は変えられる
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