ロシアは原油収入が大きく伸び、中国にも恩恵が
明らかに恩恵に浴しているのはロシアだ。原油相場の上昇と経済制裁の緩和により、原油収入が大きく伸びている。一方、ロシアとの戦いが続くウクライナにとっては、アメリカの兵器が中東に振り向けられることは悪材料だ。
ヨーロッパも苦しい立場に立たされている。エネルギー価格の上昇も痛いし、トランプがNATO脱退をちらつかせつつ、戦闘参加を要求してきていることも悩みの種だ。
アメリカが中東の戦争に深入りして、アジアへの関心が弱まっていることは中国にとって好ましい材料といえる。しかも、中国はアメリカより安定していて責任感のある超大国に見え始めている。
今後、状況が変わる可能性はあるだろう。先を見通せないのが戦争だ。しかし少なくともこれまでのところ、アメリカの軍事行動は代償ばかりが多く、得たものがあまりに少ないように見える。
(筆者は現在、CNN『ファリード・ザカリアGPS』の司会者を務める)

2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由
※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます