<世界5位の茶葉輸出国なのに、知名度もなければ、ブランディングもできていなかった。山岳地帯で少数民族たちが手掛ける古木茶が、注目を集めている>

ベトナム産の嗜好飲料と聞けば、真っ先に思い浮かぶのはコーヒー、という人が多いかもしれない。

確かに、コーヒー豆の生産量は世界第2位という屈指の産地だし、濃厚に抽出したコーヒーに練乳をたっぷり加える「カフェ・スア」(いわゆるベトナムコーヒー)も定番として広く知られている。

だがベトナム人に聞けば、そのイメージはあくまでも産地の多い南部から広がった「最近の」スタイルだ。ベトナム全土で何世紀にもわたり親しまれ、生活の一部になっているのは、お茶、とりわけ緑茶である。

しかもベトナムは、世界第5位の茶葉輸出大国。パキスタン、中国、台湾を始めとする70カ国以上に輸出され、日本にも入ってきている。生産量の8割以上が輸出、残りが国内消費という構造だ。

なのに、知られていない。

ブレンド茶のベースやペットボトルのお茶飲料の原料として重宝されているため、「ベトナム産」として認識して飲むケースはそう多くないからだ。その背景には、隣国の商人に買い叩かれてきた歴史があった。

そんな「知られざるお茶大国」ベトナムが今、変わりつつある。

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中国・ラオスと国境を接する北部の少数民族たち