イランは資産であって同盟国ではない

しかしこの解釈は、中国共産党の計算をアメリカの視点で見ているにすぎないと、カーネギー国際平和財団の研究担当副会長エバン・A・ファイゲンバウムは批判する。

「西側の戦略家の多くは、中国がアメリカのように振る舞うことを期待しすぎている。そして中国がアメリカのように振る舞わないとき、それを意図的な選択ではなく戦略的失敗と結論づけ、中国が後退を余儀なくされたと解釈するのだ」

ハメネイやマドゥロを救済することは、中国の中核的な安全保障利益に資さなかっただけとファイゲンバウムは主張する。

中国がイランに対して用いる「同盟国」という言葉は、安全保障までカバーしている日米同盟の「同盟国」という言葉と比べてはるかに軽い。そもそも、中国は北朝鮮以外のいかなるパートナーに対しても正式な防衛義務を負っていないのだ。

中国はむしろ、太平洋で軍事的優位を確立することと、米国防総省が大国間戦争の際の防衛線とみなしている「第一列島線」を突破することだ。

中国は、イランと強固な関係を築きつつ、そこから利益を得てきた。中国は120カ国以上にとって最大の貿易相手国となっている、イランは主要な産油国の1つにすぎないと、ファイゲンバウムは述べている。

また、ブルッキングス研究所ジョン・L・ソーントン中国センターのライアン・ハス所長はイランの現体制が崩壊したとしても大きな打撃とならないは述べている。

「とはいえ、もしアメリカがイランで泥沼にはまれば、中国はそれを歓迎するだろう。アメリカから中国に向けられる圧力が弱まるのだから」

意思の問題か、能力の問題か