イランは最高指導者ハメネイ師が殺害されたことで、イスラム神政政治体制が危機に陥り、次期最高指導者が誰になるのか、またこれからどのような事態が起きるのか予測が難しくなっている。

聖職者や革命防衛隊幹部、ハメネイ師の長年の顧問といった過去数十年にわたってイランの体制を運営してきた人々を標的とする米国とイスラエルの攻撃はなお継続中だ。一方で⁠イランの大統領らでつくる「臨時評議会」が設置され、次期最高指導者選出まで当面の国家運営を代行する。

イランの統治システムや次期最高指導者選出方法、具体的な候補、米国・イスラエルの攻撃による変化の可能性について以下にまとめた。

イスラム神政政治とは

現在の神政政治体制は1979年のイスラム革命でパーレビ国王を追放して最高指導者になったホメイニ師が「イスラム法学者の統治」として新たに導入した。

この理論によると、9世紀に姿を消したイスラム教シーア派第12代イマーム(神が定めた指導者)が再臨するまで、地上の権力は徳の高い聖職者によって行使されるべきとなっている。

つまり最高指導者に就⁠任する者は、大統領と国会を導く究極の権威として憲法から権限を与えられた高位の聖職者でなければならない。

1989年に死去したホメイニ師と、その後継者になったハメネイ師の下で、最高指導者は国家の全ての事案について最終的な決定権を保持してきた。しかし新しい指導者は、極め⁠て大きな変革の瞬間に、自らの権威を主張することを迫られるだろう。

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ハメネイ師の後継者を誰が選ぶか