米ドルと原油は密接にリンクしている

だが各国が最も恐れなければならないのは、長い目で見た場合のドル覇権の弱体化と言えるかもしれない。米ドルの価値というのは、実は原油と密接にリンクしている。アメリカは世界最大級の産油国であることに加え、中東の石油についても支配権を行使していることが、過剰に発行されたドルの価値を維持する役割を果たしている。

イランは人民元など米ドル以外の通貨で決済された原油については、ホルムズ海峡の通過を許すという報道も出ている。これはまさに米ドルと原油が密接にリンクしていることを逆手に取った戦略であり、世界の金融システムに大きなインパクトをもたらす可能性がある。

最大の懸念材料は、トランプ政権がこの深刻な事態について理解しようとしない、あるいは理解していても、それを考慮しない外交政策を続けてしまうことだろう。

【関連記事】
中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊張緩和の兆しか
2030年、AI覇権は米中どちらの手に? 習近平が国家予算を投じてもくろむ「AI先進国」

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます