中国の打撃は限定的か

中国が、米国に代る新たな豚くず肉の供給源を見つけることは、それほど難しくないとアナリストはみている。

中国の養豚産業は拡大しており、貿易を巡る対立が始まる以前から、バイヤーのあいだでは米国産豚肉への依存度が低下していた。

また、中国バイヤーが、欧州から豚肉を輸入することも可能だとアナリストは指摘する。欧州における豚肉価格は、少なくともここ2年間で最も低い水準で取引されている。

「米国産豚肉に対する今回の報復関税導入によって、中国側が打撃を受けることはない」。米最大手の豚肉生産社マシュホフスのケン・マシュホフ会長はそう断言する。「チリや欧州、あるいは他の誰かが、『使われない豚の胃やレバー、足はたくさんある』と言い出すだろう」

スミスフィールド・フーズや、シーボード傘下のシーボード・フーズ、そしてブラジルJBS傘下のJBS米国事業部といった米国の大手食肉加工会社は、今回の輸出鈍化によって打撃を受けている。

昨年、米国全体で豚くず肉の収益が過去最高の11億ドル超に達する中で、こうした企業もその恩恵にあずかっていた。

豚肉の加工業者として、そして中国輸出でも米国で最大手のスミスフィールドはコメントを拒否した。中国万洲国際(WHグループ)<0288.HK>傘下の同社は、くず肉や顎肉、ラードを販売している。

食肉加工企業タイソン・フーズもコメントしなかった。シーボードとJBSにもコメントを求めたが、回答はなかった。

米中貿易摩擦の影響によって、米豚肉加工企業の利益率は圧迫されつつあり、先月は過去3年間で最低の水準まで低下している。

WHグループの株価は17日時点で、年初来から28%下落。タイソンとシーボードの株価もそれぞれ19%、13%下がっている。

損失規模

米国食肉輸出連合会によれば、米国が中国に輸出する豚くず肉の平均価格は、2017年には1ポンド当たり約76セントだった。

人間が食べる食品として他国に販売しないのであれば、豚くず肉は同約18セントの価格で国内販売することになる。連合会によれば、中国への輸出量を考えると、豚1頭あたり1.55ドルの損失に相当する。

こうした豚くず肉の価格低下によって、来年にかけて米豚肉産業は全体で約8億6000万ドル(約970億円)の損失を被る羽目に陥る、と連合会は試算している。

前出のヘイズ氏は、豚1頭あたりの仕入れ価格を抑えることによって、農家にこの損失を転嫁しようとするだろうと予想する。

「苦しむのは養豚農家だ」とヘイズ氏。

ペットフードとして低価格取引に