新規供給の急増により、既発債は大幅なディスカウントでも買い手を見つけるのに苦労する事態になってもおかしくない。新発債と既発債の利回りスプレッドの差は開いており、市場の流動性を巡る懸念の高まりがうかがえる。

14兆5000億ドル規模の米国債市場の98%を占めるのが既発債だが、1日の出来高における比率は33%程度にすぎない。こうした不人気ぶりから、既発債の利回りにはプレミアムが乗せられ、ほとんどの銘柄でプレミアムが拡大してきている。

例えば残存2年物のプレミアムは年初時点ではマイナスだったのに、1月5日以降で0.68ベーシスポイント(bp)上がって、今月6日に0.58bpとなった。

流動性懸念が米国債市場全般に広がってしまうと、米政府の借り入れコストを押し上げる事態も起こり得る。

まだそれが現実化したわけではなく、米国債と代替可能な投資承認が存在しない以上、国内外で引き続き需要は堅調だと一部のアナリストは主張する。それでも市場は既に流動性が低下しているとの声も聞かれる。

プルデンシャル・ファイナンシャルの資産運用部門PGIMフィクスト・インカムのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、グレゴリー・ピーターズ氏は「過去の体験と比較すれば、世界で最も厚みがある(米国債)市場と言えども、取引はより困難になりつつある」と述べた。

Kate Duguid

[ニューヨーク 9日 ロイター]

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