Joe Cash
[北京 14日 ロイター] - 中国国家統計局が14日発表した10月の鉱工業生産と小売売上高は1年超ぶりの低い伸びとなった。
鉱工業生産は前年比4.9%増。9月の6.5%増から減速し、昨年8月以来の低い伸びとなった。ロイター調査の予想(5.5%増)も下回った。
小売売上高は2.9%増で、こちらも昨年8月以来の低い伸びを記録。9月の3.0%増から減速した。予想は2.8%増だった。
HSBCのアジア担当チーフエコノミスト、フレッド・ニューマン氏は「中国経済はあらゆる方面から圧力に直面している」と指摘。「ここ数四半期の成長を支えてきた輸出の力強い押し上げは、米国の関税が懸念された水準より低くなったとしても、来年まで持続するのは難しい。そのため内需が補うことになるが、大規模な追加刺激策がなければ、投資と消費の双方における最近の減速を反転させるのは困難だろう」と述べた。
1─10月の固定資産投資は前年比1.7%減少。予想は0.8%減、1─9月は0.5%減だった。
長引く不動産不況にも緩和の兆しは見られず、10月の新築住宅価格は前月比で1年ぶりの大幅な落ち込みとなった。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)のシニアエコノミスト、徐天辰氏は「投資についてはやや懸念している。中国はより消費主導型のモデルに移行しつつあるが、だからといって投資がなくなるべきではない」と述べた。
中国共産党は10月に開いた第20期中央委員会第4回総会(4中総会)で2026─30年の経済運営方針を議論し、国内総生産(GDP)に占める家計消費の割合を「大幅に」引き上げる方針を示すとともに、産業基盤を強化する必要性も強調した。
これを受けて一部エコノミストの間では、政府が今回も民間生産者や家計を迂回して大企業に資源を集中させるという通常の戦略に頼るのではないかとの見方が出ている。
エコノミストらは、インフラ投資が「5%前後」の年間成長率目標を確実に達成する近道になるとみている。
EIUの徐氏は「26年も依然として多額の政府補助金が必要になるだろう。構造的な問題が成長を抑制している」と述べた。
国家統計局の付凌暉報道官はデータ発表後の記者会見で、「外部環境は依然として不安定さと不確実性に満ちており、国内の構造調整は相当の圧力に直面している」と述べた。
10月の小売売上高は、中国の主要電子商取引(EC)プラットフォームで1カ月以上にわたるプロモーションを経て今月12日に終了した「独身の日」にちなんだインターネット商戦の影響で押し上げられたが、消費者心理は例年に比べて低調で、大幅な値下げでさえ買い物客の心を掴めていないことを示唆している。
INGの中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「当局が国内需要の重要性を明言してきたことを考えると、今年後半の勢いの喪失は依然として少々残念だ」と述べた。
ソン氏は、政府の下取り補助金制度の段階的廃止が伸び鈍化の要因だとし、「来年の消費を支えるには新たな政策指針が必要になるだろう」と指摘した。