しかし今般こそは、本当にノーベル平和賞を取りに行こうとしてキシンジャーの「忍者」の部分を真似、側近にさえ言わずに即断したのかもしれない。
「制裁を強化したから」は文在寅の自己弁護のための発言
なお、トランプが韓国の対北接近を容認するようになったのは、追い詰められた文在寅大統領が「アメリカ(特にトランプ大統領)が制裁を強化したお蔭で、北朝鮮と対話することができるようになった」といった趣旨の弁明をしたからだ。それ以降のトランプは「私が制裁を強化したからだ」と言うようになり、この「私」を「私たち」にしたり「アメリカ」にしたり、はたまた「国連」に言い変えたりしてはいるが、要は「この私が制裁を強化したからこそ、北朝鮮は折れてきたのだ」という構図にしたい。
本来、文在寅が北朝鮮に対して融和作戦に出ることをトランプに許してほしいために言った弁解の言葉が、すっかりトランプの自尊心をくすぐり、日本中が「制裁を強化したからこそ、南北融和が実現し、米朝首脳会談へとたどり着いたのである」と一斉に口を揃えるようになった。
中国は苦々しい思いで見ているだろうが、今は全人代における憲法改正で、それどころではないにちがいない。12日、金正恩ともトランプとも会った韓国政府特使団の副団長一行が来日する。金正恩のメッセージを携えているようだが、日本にとっては拉致問題解決のための残り時間はもうない。
