イッシンガー氏が抱く最大の懸念の1つは、1987年に当時のレーガン米大統領とゴルバチョフソ連大統領のあいだで調印された中距離核戦力全廃条約が破棄されることだ。米ロは同条約に違反しているとして互いを非難しており、ゴルバチョフ氏は今月、同条約が危機的状況にあると警鐘を鳴らした。

同条約が破棄されれば、欧州での核兵器装備を巡る1980年代の対立的な論争に再び火を付け、欧州と米国の関係に壊滅的な結果をもたらしかねないとの見方をイッシンガー氏は示した。

「政治的に言えば、大混乱が生じかねない」と同氏は語った。

イッシンガー氏によれば、ドイツの各世代にとって、米国との同盟関係を表すシンボルは、ジョン・F・ケネディからレーガンまで、そしてビル・クリントンからバラク・オバマまでの米国大統領である。

「自分の子どもたちに、ここにトランプ大統領との同盟関係が加わるとは言えない。悲しいことだ。このシンボルの喪失がどのように置き換えられるか、私には分からない」

(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[ロイター]
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