だから仮想通貨の流通量が増えるにつれて、そのシステムが崩壊した場合の負の連鎖も大きくなっていく。

今後、仮想通貨の発行数がどこまで増えるかは不明だが、理論上は無限に供給可能だ。取引のコストは低く、一方には在来の通貨に対する不信感があるから、まだまだ需要は高まるだろう。現に中国やキプロス、ギリシャなどでは、為替や資本に対する当局の規制を嫌う資金が仮想通貨に流れている。

また政府や中央銀行は仮想通貨の管理に手を出せないが、バブルが崩壊した場合の混乱には対処する責任がある。いつどこでバブルがはじけるかによって、その後の混乱の規模には大きな違いがある。リアルな通貨を豊富に持つ先進諸国なら当局がダメージを軽減できるだろうが、新興経済圏の諸国では厳しい。

【参考記事】ビットコイン大国を目指すスイスの挑戦

森に外来の新種が侵入しても、それが頑丈な大木に差し迫った脅威を与えることはないだろう。しかし若い木や苗木などの脆弱なシステムはその影響に耐えられないかもしれない。

仮想通貨という新種も、ただ興味深く見守っていればいいものではあるまい。各国の中央銀行は、それがもたらし得る脅威を見定める必要がある。

From Project Syndicate

本誌2017年9月5日発売最新号掲載

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