国内の設備投資に減速感が出てきた。人手不足を補う省力化やIT化投資を中心に設備投資を押し上げるとの期待感が強かったが、先行指標である機械受注に勢いがみえず、ウエートの大きい非製造業などで広がりに欠けているのが目立つ。

人材不足や法規制などの要因が足かせになっており、生産性改革で潜在成長力の浮揚とデフレ脱却を目指す政府ののシナリオに狂いが生じかけている。

機械受注は2期連続減少へ

「人手不足で機械化投資が活発化すると言われていたが、今のところ、企業からはあまり聞かない」──。

内閣府は、企業からのヒヤリングで、期待していたような省力化投資の話は、4─6月期に続き、7─9月期についても出てきていないと打ち明ける。

5月機械受注は事前の期待より受注額が伸びず、4月に続いて前月比3%台の減少となった。受注額は2四半期連続の減少となる公算が高まっている。

通常、機械受注は半年程度のタイムラグを置いて国内総生産(GDP)ベースの設備投資に影響すると言われている。GDPベースの設備投資は、今年前半は伸びが続く見通しだが「秋以降の設備投資が鈍化する可能性がある」(みずほ総研・主任エコノミスト・徳田秀信氏)との見方が浮上している。

政府は、実質2%・名目3%の経済成長達成に向けて、安倍晋三首相主導で「生産性向上国民運動推進協議会」を立ち上げたほか、未来投資戦略を策定して、ロボット革命や自動化の推進を盛り込んだ。

こうした動きが人手不足と相まって、今年は加速するとみられていたが「機械受注は、人手不足感の強い業種で期待外れだった」(SMBC日興証券・シニアエコノミスト・宮前耕也氏)といった声も聞かれる。

人手不足で難しくなった業容拡大

足元の人手不足感は一段と厳しくなっており、有効求人倍率は43年ぶりの高水準に跳ね上がった。しかし、省力化投資が期待ほど盛り上がっていない背景には、何があるのか。

背景に人口減少で国内市場が縮小