Gloria Dickie Pesha Magid

[リヤド 19日 ロイター] - イスラム教の聖地メッカへの「大巡礼(ハッジ)」で、これまでに少なくとも562人が猛烈な暑さのために死亡したことがロイターの調査で明らかになった。

気温が51度を超えたこともあり、エジプトだけで307人が死亡し、118人が行方不明になっていると医療・治安関係者がロイターに明らかにした。

ドイツの研究機関クライメート・アナリティクスの科学顧問カールフリードリヒ・シュロイスナー氏は、気候変動によりハッジは厳しさを増していると指摘した。アラファト山への登山などハッジの重要な部分が「人間の健康にとって信じられないほど危険になっている」という。

ハッジの時期は太陰暦によって決まるため毎年10日ずつずれていく。これからは冬に向かうが、2040年代にはサウジアラビアの夏のピークと重なることになる。

サウジ当局によると、昨年は2000人以上が暑さにより体調を崩した。地球温暖化が進むにつれて状況はさらに悪化すると科学者は予想している。

クライメート・アナリティクスの科学者であるファハド・サイード氏とシュロイスナー氏が発表した論文によると、世界の気温が産業革命前の水準から1.5度上昇すると、ハッジ巡礼者の熱中症リスクが5倍に高まる。1.5度の気温上昇は30年代に現実化するとみられている。

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