陰謀説論者は、爆発が夜半であったことから、室内の温度は下がっているはずで、誰かがコンテナをこじ開けて放火でもしない限り「自然発火」はあり得ないと強く主張している。だから、近くにある主要幹線道路を通ることになっていた習近平を暗殺するために、夜中に実行犯が倉庫領域に侵入して放火したのだとしている。
これらの主張は、膨大な証拠と自供、および科学的事実の前には無力だ。
権力闘争説が導く過ち
この例一つをとっても、「権力闘争説」という色眼鏡をかけて中国を分析すると、とんでもない判断ミスを招くことがお分かり頂けるだろう。
権力闘争論者たちは、いま中国がどれほど「底知れぬ腐敗の泥沼の中にあるか」を見えなくさせ、習近平政権の真の弱点がどこにあるのかを覆い隠してしまう。
それは、娯楽として日本国民を楽しませることはあっても、決して日本国民に利益をもたらすことはないだろう。優秀なはずのジャーナリストやチャイナ・ウォッチャーの目が曇っていくのも惜しい。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。