[シンガポール 24日 ロイター] - 中国の石油精製会社や石油化学会社は太陽光パネルやリチウムイオン電池向けなど、付加価値の高い化学製品の生産に多額の資金を投じている。エネルギー転換技術に対する需要が高まる中、利益の拡大を狙う。

輸入依存度を減らし、再生可能エネルギーと電気自動車(EV)のサプライチェーンで中国の優位性をさらに強化したい中国当局の意向とも一致する。

こうした中国企業は米ダウ・ケミカル、エクソンモービル、独BASFなどと主要素材の製造で競合することになる。

業界幹部やアナリストによると、万華化学、浙江石油化工、恒力石化、中国石油化工(シノペック)などが高付加価値製品へのシフトを主導している。

これらの企業はポリエステル繊維製品や包装用ビニールなどの基礎製品から、太陽光のセル保護に使用されるポリオレフィンエラストマー(POE)、リチウムイオン電池のセパレーター用の超高分子量ポリエチレン、風力タービンのブレード用の炭素ファイバーなどに移行している。

ウッド・マッケンジー(上海)の首席アナリスト、ケリー・キュイ氏は、「汎用化学製品の過剰生産能力と需要低迷に加えて、太陽光発電やEVといった国内産業の急成長が高付加価値、高性能素材に企業が目を向ける原動力となっている」と分析した。  

浙江石油化、恒力石化、山東京博石油化工は新素材を製造するためにそれぞれ数十億ドル規模の生産設備を建設しており、2025年ごろに操業を開始する予定だと3社の関係者がロイターに語った。

国内最大の石油精製・基礎化学品メーカー、シノペックは太陽光パネル用のエチレン酢酸ビニル(EVA)や、航空機や風力タービンのシャフトに使用される大型トウ炭素繊維などに資金を振り向けている。

紫外線に強くEVAよりも耐久性に優れ、ソーラーパネルの封止材に使用されるPOEは需要が2桁のペースで拡大しており、国内生産能力は25年までにゼロから年間100万トンに急増する見通し。約200億元のコストがかかると業界関係者はみている。

シノペックや中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)を含む約12社がPOEの生産能力拡大を進めている。ウッド・マッケンジーのキュイ氏らによると、万華化学とシノペックは中国で初めてPOEを商業生産する見込み。

浙江石油化工は25─26年までに年間40万トンのPOE設備を稼働させる予定だと親会社の栄盛石油化学の関係者が明らかにした。

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