くすぶる中国リスク

 もっとも、リスクが消えたわけではない。中国経済は下振れ懸念が和らいできているが、不動産市場ではバブル崩壊のリスクがくすぶる。6月の米利上げ観測の強まる中でドルが上昇し、事実上、ペッグされている人民元の上昇を防ごうと、同国政府は5年ぶりの低水準に基準価格を設定した。

 BBHの村田氏は、米利上げに向けて「リスク回避のポジション調整で、短期的には、ある程度の資金が新興国から出ていくことは避けられない」と指摘する。

 データ上でも、その兆しは現れつつある。IIFの調査で5月は、流入超がゼロ付近に縮小した。「米早期利上げの思惑によるドル高で資金流入が再び抑えられた可能性がある」(三菱UFJR&Cの廉氏)と見られている。

 ドル高進行の中で人民元安が進んでいることも、昨年のリスク回避局面を連想させるとの声も根強い。バークレイズ銀行の為替ストラテジスト、門田真一郎氏は「中国の経済指標は強いとまではいえない。年初のような景気減速懸念が出ないかには注意が必要だ」と指摘している。

 (平田紀之  編集:伊賀大記)

[東京 3日 ロイター]
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