<アカデミー賞以外の主要賞を獲得しているリリー・トムリン、旧友ジェーン・フォンダと共演の新作『ムービング・オン』は驚きに満ちた復讐劇>

「よく生きることが最高の復讐」ならば、俳優のリリー・トムリンは着々と復讐を進めつつある。とりわけ新作映画『ムービング・オン』(全米公開中)は、その点で意味が大きい。

この作品でトムリンは、40年来の友人ジェーン・フォンダとまたタッグを組んだ。2人の演じる女性たちは、過去に自分たちを陥れた男に対し、まさに痛烈な復讐を仕掛ける。

「まずワクワクしたのは、(監督の)ポール・ワイツとまた一緒にやれること」と、トムリンは言う。彼女とワイツは『アドミッション─親たちの入学試験─』(2013年)と『愛しのグランマ』(15年)で共に仕事をした。

「コロナ禍が始まる何年か前に、『ポールに電話して、私たちのために映画を作ってほしいと頼もうと思う』ってジェーンに言ったの」とトムリン。

フォンダとの共演は何度やっても、彼女にはうれしい。何しろフォンダがアカデミー賞主演女優賞を初めて獲得した『コールガール』(1971年)以来のファンだという。

ライターのH・アラン・スコットが話を聞いた。

◇ ◇ ◇
──『ムービング・オン』のどこにワクワクした?

脚本を読んだとき、ものすごく笑えると思った。驚きに満ちていて、ひねりが効いていて。もちろん重たいテーマのブラックコメディーだから、けっこうピリピリしながらやっていた。

──フォンダとのコラボがうまくいく理由は?

相性がとてもいいのね。それに私はジェーンを敬愛している。彼女があらゆる方法で自分を磨いて、何でもやり遂げるところを見てきた。

──新作は復讐の話だが、自分で復讐心を抱いたことは?

ないと思う......いや、瞬間的にはあるかな。「あの人がゴールデングローブ賞を取らなきゃいいのに」とか(笑)。でも年を重ねると、そんなことは考えなくなる。地球が気候変動でどうなるかってことのほうが、はるかに大事に思えてくる。

──あなたは主要な賞のうち、アカデミー賞だけ手にしていない。腹が立つ?

そんなことはない。でもEGOT(エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞)を総なめにした人たちもいるからね......。

もしアカデミー賞にノミネートされて授賞式で名前を呼ばれたら、とても謙虚な感じでステージに向かうの。変てこなカートをゴロゴロ転がしながら。

「まさか私だなんて思ってもみませんでした」とか言っちゃって。で、そのカートを開けて、ほかの賞のトロフィーの横にオスカーを並べるの。もう決めてある。

【動画】『ムービング・オン』トレイラー
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