成長するにつれ、彼は少しずつ私の手元から離れていった。寂しさもあるけれど、今の時期は今しかないと思って成長過程をしっかり見守るようになった。以前は食事の用意をしながらおしゃべりして笑ったり、音楽に合わせて2人でノリノリで踊ったり。

そういう時期は過ぎて、今はプレステ4で遊ぶ彼を見守るだけ。それもまた、いずれ変わっていくだろう。一歩ずつ着実に子離れしてきたことを誇りに思う。おかげで彼はとても心の強い子に育っている。

――仕事で経験してきたセクハラを息子にどう伝える?

大人が手本を示して導けば、子供は学んでくれると思う。私は自分の失敗や過ちも話すようにしている。人生では間違うこともあるけれど、それに気付いてそこから学べばいいと伝えるために。

ヘンリーは自分が扱われてきたように人を扱う。相手を尊重し、優しく接する。

彼と一緒に映画を見ながら1930年代から80年代、さらにその後女性の描き方がどう変わったか、話し合っている。過去はどうだったか、今はどうで、未来にはどうなり得るかを考えるように導くのが私の役目。後は彼の判断に任せたい。

――コロナ禍の最中、本を執筆中にお母さんが亡くなった。

何カ月も母のことしか書けなかった。立ち直ろうとしても悲しみが襲ってきて、同じところをぐるぐる回っていた。母は苦しいときこそ前に進もうとする人だった。私も見習おうとしたが、悲しみの癒やし方が分からなかった。

ある日突然、大海原を漂っていた人が陸地を見つけたように、気付いたら別のことを書き始めていた。私は書いた。亡き母を笑わせようとして。階下で母がお茶の用意をしていて、書き終えたら庭でお茶を飲みながら、母にそれを読んで聞かせるつもりで。

母を亡くして私は変わった。「人生は短い、今を生きよ」とよく言われるが、その言葉の意味が心に染みた。

――今後の予定は?

書くことは難しいからこそ、やりがいを感じる。これからも書くつもり。物語を書いて映画にしたい。演技の仕事は続けながら、別の表現方法も探りたい。やりたいことにどんどん挑戦していいと伝えたい。特に女性たちに!

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