昨年の総裁選で言及、現預金への課税案も
高市首相も、企業内に貯まった現預金の活用に強い関心を寄せる。昨年の自民党総裁選時には、ガバナンス・コードを改定し、内部留保の使途を明示させるべきと主張した。21年に出版した著書では、賃上げに向けて企業の現預金に課税する案を提言。「昇給を計画している企業については、現預金課税を免除する方法もある」と記した。
物価上昇を差し引いた実質賃金上昇率のマイナスが続き、国民の経済的不満が募る中、高市政権がキャッシュリッチ企業への働きかけを今後強める展開も考えられる。
連合は先月、26年の春季労使交渉(春闘)の目標賃上げ率を前年と同じ「5%以上」にすると発表したが、米関税などに伴う景気の不透明感が漂う中、実現を懸念する声も出ている。ただ、大企業だけでなく「コロナ禍後は、中堅・中小企業の現預金保有規模が増加し続けている」(日本政策投資銀行)といい、キャッシュ・ホーディング問題を巡る議論が熱を帯びれば、国内企業全体の賃上げ余力の拡大につながる可能性もありそうだ。
(小川悠介 編集:橋本浩)
[ロイター]

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