「白人に見えない。クライアントが混乱する」

だがエージェンシー側は、「君は白人に見えない。クライアントが混乱する」と答えたという。「すごく矛盾していた。事実がどうなのかではなく、社会がどう認識するかに基づいて、私が何者であるべきなのかを指図してきた」

こうした経験を経て、コープは人々の誤解をいちいち正すより、そのまま受け入れたほうが楽だと感じるようになった。訂正しようとすると、「混乱と驚き」の反応に出くわすことが多かったからだ。「不安になった」と、彼女は言う。「みんなが私を枠にはめようとしてきて、私はただそれに屈してしまっていた」

「一方で、黒人のコミュニティーからはすごく受け入れられていると感じていた。何も言わず、そのまま溶け込む心地よさを感じていた」

やがてコープは、自分自身でも「ミックス」であるかのような感覚を持つようになったという。しかし、親しい友人とのある会話が彼女の考えを変えるきっかけになった。

「すごく優しく、私を支えるような口調で友人が、『それは違う』と言ってくれた。彼女は、私には語るべき歴史がないし、それを生きてきた経験もないと説明してくれた。彼女の言う通りだった」

この出来事をきっかけに、コープは自身のアイデンティティーとルーツを理解するための「学びと癒しの旅」を始めた。学校で習ったはずのイギリスにおける人種と不平等の歴史を、改めて学び直したという。

「白人女性として人種差別に立ち向かう意味」
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