「他の巣を調査すれば、時代ごとの食性の変化や巣の選ばれ方だけでなく、ヒゲワシの生息地周辺に暮らす人々の風習についても知見が得られるだろう」
巣の中から見つかったある植物繊維の痕跡は、約1万2000年前のイベリア半島における後期旧石器時代(エピパレオリシック期)の植物繊維利用と一致しており、こうした蓄積は当時の生態系や人間の営みを検証するための比較材料として活用できる。
さらに研究チームは、巣の分析によって得られる情報が、ヨーロッパにおけるヒゲワシの種の回復にも役立つことを期待している。たとえば、潜在的な分布域の確認や放鳥候補地の選定、あるいは生息地保全の優先順位を決定する際の指針となり得るという。
Reference
Margalida, A., Couto, S., Pinedo, S. O., Gil-Sánchez, J. M., Agudo Pérez, L., & Marín-Arroyo, A. B. (2025). The Bearded Vulture as an accumulator of historical remains: Insights for future ecological and biocultural studies. Ecology, 106(9). https://doi.org/10.1002/ecy.70191
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