「類は友を呼ぶ」を超えて

友情の形成はこれまで、「類は友を呼ぶ(homophily)」という考え方で説明されてきた。つまり、人は似たような経歴や属性、趣味を通じて親しくなるというものだ。

だが今回の研究結果は、より深い要因が関係している可能性を示している。友情は、世界の見え方や意味づけの仕方が似ていることに根ざしているのかもしれないというのだ。

感情、注意、意味づけに関わる脳領域──たとえば、主観的な価値判断を担う眼窩前頭皮質、角回、内側前頭前皮質など──において、後に親しくなる人同士の脳活動は、特に強い類似性を示していた。

論文の著者らは、「周囲の世界をどう解釈し、注意を向け、感情的に反応するかという点で、あらかじめ類似性があることが、将来的な友情や親密な関係の前兆となる可能性がある」と述べている。

長続きする友情のカギ

今回明らかになったのは、最初の「気が合う」という直感だけではない。脳の反応パターンが似ていた学生同士は、友人になりやすいだけでなく、その後も長く親しい関係を保ちやすいことがわかった。

研究チームは、授業で隣に座るといった偶然のきっかけで生まれる友情もあるが、より深く、長く続く関係は、こうした「神経学的な相性」に根ざしている可能性があると指摘する。

実際、状況的な理由から始まった友情は時間とともに薄れがちだった一方で、脳の反応に共通点があった関係はその後も続いていた。

References

Shen, Y. L., Hyon, R., Wheatley, T., Kleinbaum, A. M., Welker, C. L., & Parkinson, C. (2025). Neural similarity predicts whether strangers become friends. Nature Human Behaviour. https://doi.org/10.1038/s41562-025-02266-7

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