JAXAの歴代の人工衛星や探査機の縮尺模型が一堂に会しているのも圧巻です。「はやぶさ2(小惑星探査機)※1/5模型」「だいち4号[ALOS-4](先進レーダ衛星)※1/32模型」「GOSAT-GW(温室効果ガス・水循環観測技術衛星)※1/20模型」といった最近話題になった人工衛星とともに置かれ、とりわけ迫力のある存在感を示しているのが、「深宇宙展」のタイトルを象徴する展示物である火星衛星探査計画(MMX)探査機の1/2模型でしょう。

MMXは火星の衛星フォボスとダイモスを観測し、フォボスに着陸してサンプルを採取して地球に帰還するJAXAが主導する国際共同深宇宙探査計画です。探査機は2026年度にH3ロケットでの打ち上げを予定しています。今回展示されている幅4.5メートル✕奥行き3メートル✕高さ2.5メートルで再現された機体は、近くで細部まで見ることができます。

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本展監修者の宇宙開発エヴァンジェリスト・戸梶歩さんは、かつてJAXAで火星衛星探査機MMXプロジェクトの主任研究開発員を務めていた(7月11日・日本科学未来館 筆者撮影)

『特別展「深宇宙展~人類はどこへ向かうのか」To the Moon and Beyond』は日本科学未来館での期間終了後、愛知の豊田市博物館(10月18日~2026年1月18日)でも開催される予定です。

weboriginak20210521baeki-profile2.jpg[筆者]

茜 灯里(作家・科学ジャーナリスト)

作家・科学ジャーナリスト。青山学院大学客員准教授。博士(理学)・獣医師。東京大学理学部地球惑星物理学科、同農学部獣医学専修卒業、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。朝日新聞記者、大学教員などを経て第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。小説に『馬疫』(2021 年、光文社)、ノンフィクションに『地球にじいろ図鑑』(2023年、化学同人)、ニューズウィーク日本版のウェブ連載をまとめた『ビジネス教養としての最新科学トピックス』(2023年、集英社インターナショナル)がある。分担執筆に『ニュートリノ』(2003 年、東京大学出版会)、『科学ジャーナリストの手法』(2007 年、化学同人)、『AIとSF2』(2024年、早川書房)など。
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