「火星ツアー」はNASAなどの探査機から送られてきた実際のデータから作成された火星の絶景が正面から足元までの大画面映像で繰り広げられ、火星探査機目線で楽しめる展示です。火星最大でエベレストの3倍の高さのオリンポス山や深い谷の地形を飛行しながら、「赤い砂」で覆われた火星を楽しめます。

また、宇宙飛行と言えば現在はNASA(アメリカ航空宇宙局)やJAXAなどの職業宇宙飛行士が任務で行くものが大半で、民間人の宇宙飛行は「大金持ちの究極の道楽」と思われがちです。実際、前澤友作さんのISS(国際宇宙ステーション)滞在は自費旅行者として10年ぶりで、旅費はアシスタントを含めた2人分で推定約100億円とも報じられています。

ややもすれば軽視されがちな民間宇宙飛行士ですが、今回展示されている前澤さんが帰還時に搭乗したソユーズ宇宙船帰還モジュールの実機や付属パラシュートを実際に見てみると、宇宙に行くことへの情熱や実現する力を目の当たりにして、敬意を感じることでしょう。

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前澤友作さんが搭乗したソユーズ宇宙船

チラシには掲載されていない展示物にも、注目すべき展示があります。

たとえば、JAXAとトヨタ自動車が共同で研究開発している有人月面探査車「有人与圧ローバー」の実物大模型は、世界初公開です。

「有人与圧ローバー」は、宇宙飛行士が乗り込み、宇宙服なしで暮らしながら月などの天体表面を探査することができる有人月面探査車です。アルテミス計画の中で非常に重要な役割を持つだけでなく、日本が開発する初めての「有人宇宙船」です。

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有人月面探査車「有人与圧ローバー」(7月11日・日本科学未来館 筆者撮影)

従来、宇宙飛行士の月面での活動時間は宇宙服の稼働限界に制約され、約8時間が限界でした。一方、有人与圧ローバーでは宇宙飛行士2名が約30日間連続で滞在できるように研究開発されています。車両のサイズはマイクロバス約2台分に相当し、内部には約4畳半の居住空間が広がります。

「アルテミス計画」では日本人宇宙飛行士2名が月面に降り立つ予定です。この展示をみれば、宇宙飛行士たちが日本製の与圧ローバーに搭乗して月面探査で活躍する勇姿を思い浮かべることができるかもしれません。

一堂に会する歴代の人工衛星や探査機の縮尺模型
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