<ファクトチェックや法規制など、各国で行われてきた各種の「情報防衛」対策。だがそこには「言論の自由」を巡る難しいジレンマもある(シリーズ最終回)>

自由な社会において、言論の自由と情報空間の強靭性の確保はいかに両立しうるのだろうか――。

2025年4月、米ワシントンD.C.の国務省本部では、ある部局が閉鎖に追い込まれた。これまで、偽情報や外国からの政治介入への対策を担ってきた「対外国情報操作・干渉対策部門(R/FIMI)」である。

マルコ・ルビオ国務長官は、今回の決定の背景について、「米国人が言論の自由を行使するための自由を保護する」ことが、政府関係者の責任であるからだと説明した。

シャープパワー対策を担ってきた機関が、「言論の自由」の名の下に解体されていく――。これは自由で開放的な社会において、権威主義国家による影響力工作に抵抗する難しさを象徴する光景となった。

このように制度的な後退を余儀なくされる局面もあるが、多くの民主主義国家では、シャープパワー対策の必要性が強く認識され、長きにわたって様々な取り組みが進められてきた。

本稿では、これまで民主主義国家が講じてきたシャープパワー対策を改めて振り返り、情報空間における強靭性の強化に向けた可能性と限界を考察したい。

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