
「クライマーになった瞬間、同じ情熱を共有する集団の一員になり、充実した人間関係を形作り、維持しやすくなる。そうした人間関係は精神の健康に欠かせない」と、イギリスのプロクライマーで、マインドコーチでもあるヘーゼル・フィンドレー(36)は本誌に語る。
「クライミングには問題解決の要素もある。肉体だけでなく頭脳も駆使しなくてはならず、それを通じて目の前のことに集中できる......恐怖心と向き合わざるを得ない状況に身を置くことで、自分のストレス反応をマネジメントする方法を学ぶこともできる。そのようにプレッシャーのかかる局面で冷静さを失わず、集中力を維持する能力が役立つことは、人生において驚くほど多い」
クライミングジムがきっかけ
「スポーツと呼ぶに値する競技は3つしかない。闘牛と自動車レースと山登りだ。ほかは全てただのゲームにすぎない」というのはアメリカの小説家アーネスト・ヘミングウェイのものとされる言葉だが、この3つの中でもクライミングは自動車も必要ないし、動物に残酷な扱いをすることも必要ない。
それに、クライミングではリスクを抑えることも可能だ。初心者はボルダリングから出発することが多い。ボルダリングでは、ロープは用いず、転落したときのけがを防ぐために分厚いマットを敷く。スポーツクライミングの場合は、ボルダリングより高い場所を固定されたボルトとロープを使い、たいていはパートナーの協力を得て登る。
次のページ