
スポーツアパレルのゴールドウイン(Goldwin)やハイブランドのバーバリー(Burberry)から化粧品の資生堂、歌手の宇多田ヒカルまでそれぞれのコラボレーションは新たな展開や成長をもたらしたが、関山は謙虚さと当初の決意を忘れない。
その姿勢は日本の職人技を思わせる。「これで絶対にOKだと思ったことは、たぶん一度もない」
関山はスタートアップの難しさを正直に語る。創業からほぼ20年、スパイバーはいまだに黒字転換を果たしていない。
世界を見渡せば、数百万ドル以上の投資を調達した競合企業やエコフレンドリーをうたうファッション系スタートアップが次々に倒産している(スパイバーは外資系ファンドのカーライル・グループや政府系のクールジャパン機構、塗料大手の関西ペイントなどの支援を受けている)。
それでもひるまない関山は、思わぬひらめきが訪れた日を今も鮮明に覚えている。高校時代、教室でルワンダ大虐殺のドキュメンタリーを視聴した。約100日間の内戦で80万人以上が犠牲になった近年で最悪の悲劇の1つだ。
人々の苦しみに衝撃を受けた関山は、原因の1つが資源をめぐる争いだったと知り、そうした分野で人々に希望をもたらす何かをしたいと心に決めた。
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