これまで語られにくかったテーマを、声に出して語る

女性は人生の3分の1以上を、閉経(更年期前後)の状態で過ごす。睡眠障害、気分の落ち込み、ほてり(ホットフラッシュ)、体重増加など、症状は多岐にわたるが、治療を受ける人はごくわずかだ。

メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)によると女性に治療が行き届かない原因は、研究と認知の不足にある。その結果、経済的損失も深刻だ。

更年期症状による労働損失によってアメリカ経済は年間約18億ドル(約2700億円)を失っており、医療費などを含めた総コストは266億ドル(約4兆円)にものぼる。

妊娠期においても同様の問題がある。妊娠の4件に1件は流産に至り、8人に1人の女性が不妊治療を必要としているにもかかわらず、これらの問題はほとんど語られないままである。

しかし風向きは変わりつつある。こうした問題は、著名人による体験の共有によって、メインストリームの議論に浮上し始めている。

ナオミ・ワッツの近著『言ってもいいですか? 更年期について知っておきたかったこと(Dare I Say It: Everything I Wish I'd Known About Menopause)』や、メーガン妃による「ニューヨーク・タイムズ」紙への寄稿が好例である。また、「Alloy」「Joylux」「Maven Clinic」などのフェムケア企業も、この変化を後押ししている。

「長生き」の定義をアップデートする

私たちは皆、「より長く、よりよく生きたい」と願っている。それゆえに、「健康長寿」という言葉の中身を、いま再定義する時が来ている。

「長く、そしてより良く生きること」
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