しかしトランプは連邦議会の承認も国際社会の了解もないままに動いた。ネット上で「最後通牒」は出したが、正式な宣戦布告はしなかった。戦争技術の途方もない進歩により、もはや公式の宣戦布告は無意味なものになっていたからだ。

トランプ政権のある高官によれば、トランプの意思決定に側近や顧問たちの影響は薄かった。「これは国防総省の作戦ではない。ドナルド・トランプ個人の作戦だ。彼がこの演出を思い付き、この計画を選び、決行の日を選んだ」。報道によれば、普段のトランプが最も信頼する高官たち(副大統領のバンスや中東担当特使のスティーブ・ウィトコフなど)は外交的解決策を主張していた。

不安によって核拡散が加速

だが中東に展開する米軍を指揮する中央軍司令官マイケル・クリラは違った。なにしろ中央軍の最大の任務はイスラエルの防衛であり、彼は24年にイランのミサイル攻撃からイスラエルを守る地域ネットワークを構築した立役者だ。トランプが劇場的な効果を好むことを知った上で、クリラ司令官が1回限りの決定的な精密爆撃を進言した可能性は高い。

保守系の番組司会者ショーン・ハニティがテレビで、イランの核武装は絶対に許さないというトランプの「揺るぎなく一貫した」姿勢を称賛していたことも、トランプに一定の影響を与えたと思われる。

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