<「ロシアは平和を望んでいない。私たちが変わらねばならない」鉄の女が語る、いま世界が直面する現実。プーチン、そしてトランプという二重の脅威に、欧州の小国が選んだ覚悟>

世界で最も平和な国の1つとされるデンマーク。メッテ・フレデリクセン(Mette Frederiksen、47)は、その国の首相となって7年目を迎えた。

クリスチャンスボー城にある彼女の執務室からは、首都コペンハーゲンの整然とした街並みが見渡せる。しかしフレデリクセンの最優先課題は、このヨーロッパでも指折りの美しい街とは懸け離れたところにある。戦争への準備だ。

東からはロシアの脅威が増している。今はウクライナと戦い、さらにヨーロッパのほかの場所への攻撃を準備している──フレデリクセンはコペンハーゲンで行った本誌とのインタビューで、そう語った。

フレデリクセンは、NATOの同盟国であるアメリカとの関係にも配慮しなくてはならない。ドナルド・トランプ米大統領が購入したいと何度も主張しているデンマーク自治領のグリーンランドをめぐる問題が、両国関係を不安定にしているからだ。

第2次大戦後に築かれた国際秩序と、冷戦終結以降の平和の進展がいま危機にさらされていると、フレデリクセンは言う。ヨーロッパは30年にわたり平和に慣れ親しんできたが、目下の大きな問題は、そのために気候変動対策などの課題を脇に追いやりかねないことだと言う。

「私たちは自らに、こう言い聞かせていたようだ。『誰もが私たちのようになりたがっている、誰もが平和を求めている』と」。フレデリクセンはそう語る。だが、現実は違う。ロシアは平和を望んでいない。彼らが望むのは戦争だ。

「彼らはウクライナを攻撃するつもりだし、ヨーロッパの別の場所で攻撃に出る可能性もあると思う」

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