ドイツの対外情報機関、連邦情報局(BND)のブルーノ・カール長官は、ロシアがウクライナ国境を越えて西側諸国との緊張激化を含め、北大西洋条約機構(NATO)の結束を試す構えだとの見解を表明した。

ドイツのオンラインメディア「テーブル・メディア」のポッドキャスト番組のインタビューで述べた。

NATO条約では集団防衛義務が定められている。しかし同長官は、ロシアがもはや実効性がないと判断した明確な情報を既に入手していると述べた。情報源の詳細は言及を避けた。

同長官は「ウクライナ(への侵略)は西方進出の一歩に過ぎないとわれわれは確信しており、それを示す情報も把握している」と述べた。

ただ、「(ロシア軍の)戦車部隊が西に向かって進軍すると予想しているという意味ではない」と指摘。その上で「NATOの集団防衛の誓約が試される時が来るとわれわれは考えている」と言明した。

同長官は、ロシアは米国がNATO条約第5条に基づく集団防衛義務を本当に果たすかどうかを試すとの見通しを示しつつも、全面的な武力衝突には至らない西側との対立状態を想定しているだろうと話した。

同長官はバルト3国の1つ、エストニアを具体的に挙げ、「ロシアは(エストニアで)少数民族ロシア人が抑圧下にあるとみて、その保護のため」と称し、2014年にウクライナ領クリミア半島を併合した際と同じ方法を執るとの見方を示した。階級章や国籍マークのない制服や私服に身を包んだロシア兵が入り込み、建物や官公庁を占拠していくというものだ。

ただ、同長官は米国側当局者との意見交換を通じて「彼らもわれわれ同様に深刻に受け止めており、ありがたいことだ」と話した。



[ロイター]
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