授乳への効果は持続

一方で、カンガルーケアが明確な効果を示したのが授乳であった。クリストファーセン准教授は次のように述べる。

「分娩室でカンガルーケアを受けた新生児は、標準ケアを受けたグループよりも退院時の母乳栄養率が高く、その差は1歳時点でも持続していました」

 

出産後すぐに母親の胸に新生児をのせるカンガルーケアは、体温調節、心拍・呼吸の安定、親子の絆の形成など、さまざまな生理的メリットが報告され、近年、その短期的な効果が再評価されている。

発展途上国など低資源環境において、カンガルーケアが乳児死亡率を有意に減少させることが大規模研究で示されたため、早産児への即時のカンガルーケアをWHO(世界保健機関)も推奨している。

しかし、導入は進んではおらず、特に早産などで出生した新生児を扱うケースでは、旧来の手順やスタッフの教育不足が障壁となっているという。

長期的な発達への影響は限定的

本研究は、出生直後の数時間に行われるカンガルーケアが長期的な発達に与える影響を、本格的に検証した初の試験の1つとなる。

結果としては、長期的な効果は見られなかった。しかし、特に母乳に関しては即時的・継続的な効果があるとして、カンガルーケアを新生児医療の標準ケアとするに十分なエビデンスになると研究チームは指摘する。

介入時間が少なすぎた可能性も
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